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chapter-4 岬

夜になり、祭りも終わったようだ。
人(感染者)の往来の音も消えた。

コーチ「おい、そろそろ出ようぜ。俺は暗いところは苦手でな。」

外へ出る4人。
街頭も少ない町は、暗闇に包まれていた。
コーチ「まってくれ、外も暗すぎるだろう!」


ロシェル「ノノノノノノ、ノーゥ。コーチ、ライトを消してみて。」
コーチ「バカを言うな、もっと暗くな・・・woooow!」

空には満天の星空。
ロシェル「ね?」

渡り始めた橋からは、港町の明かりが見える。
100万ペソくらいの夜景だ。

「見ろ、ここと港は近いぞ。随分遠回りをしてしまったみたいだな」
「チッ。とんだ無駄足だ。さっさと行くぞ」

車も通らない、人もゾンビもいない。ただ4人だけが渡って行く橋。
パリッシュの橋とは天国と地獄ほどの差だ。

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エリス「ロシェル!後ろ!スモーカーだ!」

エリス「ハッハー!ウソだよ。ハッハー!」
ロシェル「ちょwwwww」


湾に4人の楽しげな声が響いた。こだまではない。
この先に空港らしき施設は見えたが果たして飛行機が運航しているとは思えない。
どこか休めるところを探して歩き続けた。

唐突にスナックが数件並んでいる。
「パブみたいなところじゃないか?行ってみよう。」

カランカランとドアベルが音を立てた。
中年感染者だけではない、青年感染者たちが集っている。スナックなのに、だ。
紫色の花柄のブラウスを着ているのが女主人であろう。

壁にもたれる者、座り込む者、なにやら吐いている者。
せっかく通信カラオケがあるのに、誰も歌っていない。

「KARAOKE!」
歌が好きなコーチが歓喜した。
「おい、ミッドナイトライダーズは入っているのかな・・・あったぞ!」

送信ボタンをコーチが押した。
キーーーーーーーーン
ハウリングの音が鳴り渡った。

ロシェル「ダメよ!ああ!」

遠くから調子のはずれたゴッドファーザーのテーマとバイクの音が近づいてきた。
チーム「紫式部」のご一行だ。

コーチ「畜生!いい曲だったんだ!」
エリス「戻ろう!港の方がまだマシだっ。」

来た道をひたすら走り続けた。
橋からの夜景などもはや目には入らない。
紫色の汁をまき散らしながらスピッターやブーマーが追いかけてくる。

「ほっとけ!どうせEリスする!」

港が近づく。
「あのビルを目指せ!」
「ビル?ビルってどれ?!」
「ビルだよ。あの、あそこの、ほら、えーっと、6階建てくらいの一番高い建物!」




「いいから着いてくるんだ!」


チャプター4まとめ

港から橋を渡った向こう側に隠岐空港がある。
近年住宅が増えた地域で、飲食店=スナックがいくつか並ぶ。
隠岐では2次会はスナック、が定番。若い人も。
唯一の暴走族「紫式部」は2000年ごろ解散したらしい。
一番高いビルを競っているのは
港近くにある隠岐プラザホテルと隠岐ビューポートホテル。

あとね、お勧めは漁り火です。
イカ釣り漁船の明かりが水平線に沿うようにずらーーーっと
並んでる様子は、ちょっとたまらない風景です。


もうなんだか、地元のネタを見過ぎてすっかりホームシックです。


そして、次回は最終回!
空振り企画だったくさいけども、最後までやるんだぜ。